2022.01.28
2010年ごろから急激に検索数が伸び、今や誰もが一度は耳にしたことがあるのではないかとも考えられる「メンヘラ」という言葉。
今回は、様々な論文や書籍を参考に、「メンヘラ」の意味や、メンヘラでも楽しく生きる方法についてご説明します。
「メンヘラ」という言葉は、「メンタルヘルス」を略した言葉に由来し、最初にこの言葉が使われたのは「2ちゃんねる」(現「5ch」)だと言われています。
実用日本語表現辞典によれば、概ね「病んでいる人」や「心に何かしらの問題を抱えている人」といった意味で用いられることが多いのですが、これまでさまざまなコミュニティで利用されながら意味の変遷をたどってきたため、厳密な意味を定めることは難しいとされています。
「2ちゃんねる」で使用され始めた「メンヘラ」ですが、現在は広く普及しており「2ちゃんねる」以外の場でも頻繁に見かけるようになりました。実際に、2017年に松崎良美さんが女子大学生を対象に行った調査では、"メンタルヘルス・スラング"としての「メンヘラ」を、回答者の90.8%が「目や耳にしたことがある」と回答していることからも、その普及率が伺えます。
では、「メンヘラ」と呼ばれる人は具体的にどのような特徴を持つのでしょうか。
同じく実用日本語表現辞典によれば、メンヘラの特徴は「大抵、親友や恋人などの特定の気を許した人物へ過度に依存し、心身共に束縛したがり、束縛を逃れる行動に激しく嫉妬し、報復として自傷を含む過激な破壊活動に出る、といった振る舞いをする者として思い描かれる。この一連の振る舞いの根底には強烈な自己愛があると指摘できる。」とされています。
簡単にまとめると、メンヘラとは「自分が気を許した相手に固執&束縛し、その束縛から離れようとする者に対して過激な行動を取ることによって関心を得ようとする傾向にある人」と捉えることができるのではないでしょうか。 そして、この行動の根底にあるのは「強烈な自己愛」、つまりナルシシズムだとされています。
加藤諦三さんの著書『メンヘラの精神構造』も、メンヘラの精神構造の中心にはナルシシズムがあり、そのナルシシズムが攻撃性を生み出していると指摘しています。ナルシストは傷つきやすく、傷ついた時には怒りや敵意が生じ、それが攻撃性につながるのです。
そして、この攻撃性が直接的に表現されない場合は、最終的に悲観主義や被害者意識にカモフラージュされて表現されることになり、これがメンヘラとしての特徴になります。
つまり、「傷ついた時に生じた攻撃性」が、悲観主義や被害者意識にカモフラージュされて表れる傾向にある人がメンヘラと言われるようです。
ここまでの説明だとなんとなくネガティブな印象を受けてしまいそうですが、加藤源太郎さんの研究によれば、近年の日本のネット社会ではメンヘラは「カワイイ」などの「ポジティブな」意味が付与され、好意的に受けとられるようになったという話もあります。
ここまでは、様々な文献を元にメンヘラの意味について説明してきましたが、メンヘラの傾向がある人は具体的にどうすれば幸せに過ごせるのか、は気になるポイントですよね。
メンヘラは本人の特性なのでどうにもならない、改善できないと思われがちですが、実は環境や考え方次第で幸せに生きていくことができるんです。
ここからはメンヘラを受け入れて幸せに生きる方法を、日常生活編と恋愛編に分けてご紹介します!
まずは、メンヘラである自分を受け入れてあげることが大事です。変に「自分はメンヘラではない」と言い聞かせようとすると、却って自分を傷つけることにもなりかねません。
なかなか難しいかもしれませんが「もしかしてメンヘラかも」と思ったら、素直にありのままの自分を受け入れてあげましょう。自分を受け入れ、どんな時でも自分が一番の味方になってあげることが、楽しく生きるための一歩に繋がります!
これはメンヘラに限らず言えることですが、規則正しい生活を心がけることは、自律神経を整えて心身ともに健康的に生きることに繋がります。
夜中になると急に寂しくなって、なんとなくSNSをみながらダラダラと朝まで過ごしてしまったり、何も食べないまま1日を過ごしてしまったりしていませんか?規則正しく生活するだけで、前向きな気持ちで生活できる可能性があるので、ぜひ試してみてください。
まずは、朝起きてすぐに太陽光を浴び、体内時計をリセットすることから始めてみましょう!
予定がないとついつい引きこもって家の中でダラダラと過ごしていませんか?運動不足は、精神衛生上あまり好ましくありません。
適度な運動を取り入れ、さらには外に出て太陽の光を浴びながらの運動ができるとなお良いです。こまめに運動をしていたり、朝日を浴びていると幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されるからです。
この「セロトニン」が不足するとイライラしたり、やる気が起きなくなったり、人と会いたくなくなったり、という症状を引き起こすため、運動をして十分に「セロトニン」を分泌させてあげましょう!
メンヘラの傾向がある人の特徴として、恋人に依存してしまう人が多い傾向にあります。その場合は、恋愛以外に夢中になれるものを作っておくと、恋愛への依存度が軽減されます。
読書や運動、手芸などこの機会に新しいことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
先ほども述べたように、メンヘラの傾向がある人の特徴として、特定の人に過度に依存してしまうことが挙げられます。
そのため、依存先を複数作り、依存度を分散させるという意味で、コミュニティや依存先を増やすことも有効です。自分を受け入れてくれる新たなコミュニティが見つかれば、自信にも繋がって一石二鳥です。
彼と喧嘩したり、彼とのことであれこれ悩んでいる時は、どうしても目の前のことで精一杯になってしまいがちです。勢い余って「もう別れよう」と伝えて彼を試してみる、なんてことも考えちゃったりしますよね。
そういう時は、彼との少し先の未来を思い浮かべてみましょう。次回の彼とのデートプランを考えてみたり、次に渡したいプレゼントを検討してみたり。色々と考えていると、「私にとってはやっぱり彼の存在が大事なんだな」と改めて気づかされます。
自分にとっての彼の存在の大きさに気づくと、今あれこれ悩んでいる自分の気持ちもちっぽけに思えるようになりますよ。
色々試しても、やっぱりネガティブな思考が頭から抜けない時もありますよね。そういう時は、一旦全て忘れて布団に入りましょう。
ネガティブになっている時は、考えるだけ時間の無駄です。考えれば考えるほどネガティブになっていくからです。意外と朝になってから改めて考えると、ポジティブに捉えられる、なんてことも珍しくないので、思い切って寝てしまいましょう!
彼とのことで悩んでいる場合、彼の気持ちだけはいくら考えたところでわからないと思います。
そういう時は、思い切って素直にその気持ちを彼にぶつけてみましょう。一番避けるべきは、悩みすぎて歪んだ形で彼にぶつけてしまうことです。一人で抱え込んで悩まず、彼にも頼るようにしましょう。素直に悩んでいることを相談すると、彼も喜んでくれるかもしれません。
一度ネガティブな時期に入ってしまうと、なかなか通常運転に戻れない方もいるのではないでしょうか。
そういう場合は、あらかじめ対処法を彼に伝えておくのも良いかもしれません。こういう状態になった時はそばにいて欲しい、こういう時はそっとしておいてほしい、など言葉にして伝えておくことで彼としても関わりやすくなります。
ぜひ試してみてください!
色々試してみたけど、やっぱり自分の力ではどうにもできないかも・・と思ったら、思い切ってサービスに頼ってみるのはどうでしょうか。
このメディアを運営している株式会社メンヘラテクノロジーは、病んだ時に気軽に相談できる女性向けチャット相談サービス「メンヘラせんぱい」を提供しています。
どうしても辛くて誰かに話を聞いてもらいたい時、寄り添って欲しい時、「メンヘラせんぱい」を利用すれば、優しい「せんぱい」にすぐに相談に乗ってもらうことができます。
相談相手は自分で選べて、相談の内容も恋愛だけでなく、人間関係や、仕事・勉強などさまざまなカテゴリーの相談に乗ってもらえます。
とても辛いけど話を聞いてくれる人がいないときは「メンヘラせんぱい」に頼ってみてはいかがでしょうか。
松崎良美(2017)「“メンタルヘルス・スラング”を定義する―都内女子大生を対象とした横断研究より―」津田塾大学紀要
加藤源太郎(2018)「A new meaning of mental health in japanese net world」追手門学院大学社会学部紀要
加藤 諦三(2020)「メンヘラの精神構造」PHP新書